知って得するダイレクトメールの基礎知識

せっかくダイレクトメールを送るのであれば、できるだけ安く、発送内容に合わせた最適な方法で開封率が高くないように送りたいものです。

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クロネコヤマトメール便は、なぜ廃止になるの?

クロネコヤマトメール便がなぜ、今、廃止になるのでしょうか?

クロネコヤマトメール便は、なぜ廃止になるの?

厚さ2cmまでの信書でない荷物を、追跡番号付きで送ることができるサービス、クロネコヤマトのメール便が、2015年3月31日をもって廃止するとの発表がされました。厚さ1cmまでは、82円、2cmまでは164円、それに103円プラスすれば、速達扱いにしてもらえるなど、既定のサイズであれば、とても安価に荷物が送付できるため、法人、個人ともに、重宝されている人気のサービスが、なぜ、今、廃止になるのでしょうか?

信書を送ってしまうリスクを防ぐため

ヤマト運輸によると、メール便廃止の理由は、利用者が気がつかないうちに、信書をメール便で送ってしまうリスクを防ぐためということですが、いったいどういうことでしょうか?

メール便を送ったことがある人は、知っていると思いますが、クロネコヤマトのメール便を送る際には必ず、この荷物は信書でないかどうかの確認のチェックをするようになっています。

法律では、信書は郵便で送ることができますが、メール便では認められていません。
信書の定義は、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」というものです。そうはいっても、一般的にこの定義は分かりにくく、曖昧です。さらに日頃、送付したいものが信書かそうでないかなど、いちいち考えている人はあまりいないと思います。

意識していないために、知らないうちに郵便法に違反して、メール便で信書を送ってしまってしまう人は少なくないでしょう。信書をメール便で送付する行為は、郵便法76条に違反することになり、罰則が与えられます。ヤマト運輸は、未然にそうした事態を防ぐために、メール便を廃止すると言っているのです。

メール便で信書を送ると本当に罪になるの?

「信書を送るくらいで本当に問題になるの?」「本当にトラブルなんてあったの?」と思う方もいるかもしれませんが、ヤマト運輸の発表によると、実際にメール便で信書を送ってしまい、郵便法違反の容疑で、書類送検された人がいると言います。また、そこまでいかなくても、警察に事情聴取をされた人もいるようです。

信書をメール便で送るくらいで大げさな!と思う人もいると思いますが、罰則は3年以下の懲役、または360万以下の罰金と、かなり重いものですから驚きです。知らなかったとはいえ、もし、違反が見つかった場合は大変なことになります。

信書の定義が曖昧

そもそも信書はメール便で送ることができないと言われても、信書の定義が曖昧すぎて、わからないというのも問題です。信書関係の管轄は総務省ですが、ヤマト運輸が、「これは信書に当たるのか?」と窓口に問い合わせても、窓口の人でも、即答できないということが多いとのことで、これでは、一般の人ではさらに分からないことになります。
総務省の窓口でも即答できないような曖昧な信書を、利用者やメール便の受付が選別するのは非常に困難ですし、いくら注意喚起をしても、違反をなくすことはできそうにありません。

そういったこともあり、ヤマト運輸としては、そういったグレーな部分を残したまま、メール便のサービスを継続させることはできないと考えた理由のひとつになっているようです。

ヤマト運輸の努力

ヤマト運輸は、自分たちのメール便サービスによって、利用者の認識不足のために罰せられてしまう事態を防がなくてはいけないと、荷物の受付時に中身に信書が含まれていないかの確認を厳格にする方針を打ち立てました。記憶にある人もいると思いますが、2年ほど前から、メール便受付の際には、青い規約が書かれた紙に目を通し、送付者が自筆のサインをするようになっています。信書はメール便では送れないという注意を厳格化するだけでなく、もし、信書を送ってしまっても、お客さまが罪に問われることがなく、受け付けてしまった運送事業者のみが罪に問われるようにしなくてはいけないという考えを訴え、努力してきました。しかし、認められないまま時間が過ぎてしまい、このままの状態を放置することはできないと考えたヤマト運輸は、とうとうメール便を廃止することを決めることになったのです。

メール便にかわるサービス

メール便は廃止されますが、それに代替えするサービスはすでに決まっています。
その名も「クロネコDM便」。事前に中身を確認して、信書でないものを送付するサービスで、料金も変わり、サービス内容も拡充するとのことです。

まだ詳しい発表はされていませんが、メール便が廃止される3月31日の翌日、4月1日からは、小さな荷物を手軽に送ることができるサービスが始まり、さらに便利になるようです。

低料金で、さらに安全に速く荷物が送付できる、さらに進化したサービスになるのではないでしょうか。3月31日までは、メール便にお世話になるとして、4月からは新たなクロネコヤマトのサービスに期待したいものです。